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2019/07/02 神港園しあわせの家
[ やってみよう!2019 ]
神港園では虐待防止・身体拘束廃止を徹底し、さらには利用者さんにより良い形で過ごして頂くことを目的として、座学はもちろんのこと、利用者さんの状態や立場を疑似体験する体験型研修も積極的に行っています。
今回のやってみよう!研修では、利用者体験を通じて、もし質の低い不適切な介助を受けたら・・・利用者さんの気持ちになってみよう!という研修を行ないました。
始めに、しっかりとヒモで車いすに固定され副施設長の話を聞きます。ずいぶん昔、"拘束"をしていた人?という質問には1/3くらいの人の手が挙がりました。
生命や身体を保護するため緊急やむをえない場合以外の身体拘束は行ってはならないとされた1999年3月の厚労省令以前では、「安全のため」当たり前のように行なわれていた身体拘束・・・現在では見ることはほとんどなくなりましたが、いざ体験してみると短時間でも相当な苦痛です。
その後は、パンクした車いすに乗ってみる、車いすを走って押される、など不適切なケアを実施する・実施される体験をしました。「わ~怖い!」「ヤメテーっ!」の声が響きます。
場所を移動して、身体を全く動かせない設定でのベッドのギャッジアップ/ギャッジダウンを体験。普段何気なくベッドの操作をしていますが、今回始めてされる側になった職員も多かったようです。
ギャッジアップの際、自重で身体が下がる力とベッドが上がる力との間にズレ力が働きます。このため皮膚が引っ張られてしまい圧迫や突っ張りが生じ、その感覚は地味~に不快。
滑り易い生地でできたグローブを使って、ベッドに面している身体を一旦ベッドから離し、同時にズレでできた衣服のシワをのばす「背抜き」という介助を行うと、
「気持ちいいわぁ~♫」「ホンマや!」の声。
次は、円背を模したダンボールを使って寝てみます。クッションを入れると「あ~ラクぅ~!」「ホンマや!」
移乗体験では、普通型の車いすとセミモジュール型と呼ばれる部品の取り外しによって別の機能が発揮できる車いすの違いや、介助前のちょっとした一手間を加えた場合の介助される側の感じ方の違いを感じました。「全然ちがう~!!」「ラク~♪」「ホンマや!」
今回の研修受講職員の半分のグループがこのベッド/移乗体験をしている間、もう半分のグループは廊下で待機です。しかも、そこには不適切な接遇を行うエラそうな"ドS"役の職員が見張っています。「時間がとても長く感じる・・・しんどいなぁ・・・中は楽しそうだなぁ・・・。」
後半は、食事編。1口を飲み込む前にもう1口を口の中に入れられる体験、とろみのついたお茶を飲んでみる、などの体験をしました。
最後は、みんなで振り返り。具体的に、「○○さんには△△の介助をする。」「○○にいっそう気をつけて介助する」など、より良い介助を実現するべく意見を出し合いました。
今回の体験を思い出しながら、利用者さんの立場、気持ちにいっそう寄り添ったよりよい介助ができるよう頑張っていきます♬