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2020/05/13

作業療法士が教える『ちょっとためになる話』

Activity(活動)の選び方

みなさん、「フロー体験」という言葉を聞いたことがありますか?

心理学者のミハイ・チクセントミハイという人が提唱した概念で、簡単にいうと「活動に没入している状態」をいいます。

 

ブレイク.png

   出典:米 心理学者 ミハイ・チクセントミハイのフローモデルによるメンタルステート図

 

人間は不思議なもので、「挑戦レベル」が「スキルレベル」よりも高すぎると「不安」が大きくなり、フロー状態にはなれません。また「スキルレベル」が「挑戦レベル」よりも高すぎると、今度は「退屈」に傾きます。上の図でその関係性を確認することができます。

 

この「フロー体験」、幸福感や自己コントロール感、新しいことに挑戦しようとする気持ちを増大させてくれると言われています。ビジネスや教育の場面でも活用されている概念です。

 

「フロー体験」と言われる状態になるためには、以下の条件が必要だと言われています。

 

自分の能力に対して適切な難易度のものに取り組んでいる

 取り組む活動が、自分の能力より簡単でもなく、難しすぎることもない

 

対象への自己統制感がある

 取り組む活動が、自分でコントロール可能だと感じられること

 

直接的なフィードバックがある
 取り組んでいる内容について、「それが良いか、良くないか」「できたか、できていないか」

 すぐに反応が返ってくること

 

集中を妨げる外乱がシャットアウトされている
 活動に集中できる環境があること

 

ブレイク1.jpg  ブレイク2.jpg

 

ブレイク3.jpg

Activityを考える時には、ご利用者にとって簡単すぎず難しすぎない活動を提供できるよう心がけています。

ご利用者が楽しそうに笑っている表情も嬉しくなりますが、真剣な表情で活動に没入している様子もとってもいいですよね♪